読書の愉しみ  「つけびの村」

hahatenのアバウト生活、どうでしょう

我が家のクリスマスツリー レザークラフト時代のオーナメント(大層なモノじゃないけど)を吊り下げてみました。ラジオもクリスマスソングが流れてきますね。外国語の曲は、雰囲気だけ楽しんでいます。

そしてこの頃は視覚障碍者に提供される「音声データによる読書」も少しずつ楽しみが増えてきました。

「つけびの村:誰が5人を殺したのか?』高橋ユキ著 (晶文社 2019)2013年の夏、山口県周南市で発生した殺人事件。わずか12人が住む限界集落で、一夜にして5人の村人が殺害され、2軒が焼失した。犯人と思われる家には、「付け火して 付け火よろこぶ 田舎者」の張り紙があったことで平成の八墓村と評判になったという。このような小さな集落でなぜこのような殺人事件が起きたのか、明らかにしたいと調査に入った、記録です。そこで著者は村の日常となっていた「噂話」に着目し、周辺の村人とも交流しながら調査を進めます。そのまとめがこの本ですが、終わり近くなたページでは、殺害された村人とその近くにいた人々を繋ぐ一つの「そうなるべきというような繋がり」が示されています。客観的な事実の積み上げの途中、終わりに近いところで、まさか!これはフィクションか?と思わせるような、緊張感のある部分が挿入されています。これは読む人だけの愉しみです。読み始めたら(聴き始めたら)止まらないノンフィクション、作者の人柄も併せもった作品だと思いました。

聴くだけの読書はついつい眠ったりして、気が付いたら随分先に進んでいた!ということが多かったりして、前へ戻らなければならないことが多々あります。でも読書の愉しみは格別ですね。