旅は道連れが大事 世の情けは偶然の恩恵

今回の礼文への旅は、人と人とのつながりに支えられた旅でもあり、いろいろな方に感謝です。
以前Voice Trainingに通っていると書きましたが、その先生が礼文島にご縁のある方で、レッスンの合間にお話が弾んで礼文島での宿泊の予約をとってくださいました。そこは、島の最北端にあるスコトン岬にある「民宿 スコトン岬」というところでした。岬の突端から急な坂を下りたところで、部屋の窓からは海が広がり、波や風の音が間近に聞こえ、朝は朝日がまぶしく輝きます。ここを基点に島巡りができたということが、心深く、多分再度訪れるとしても、この宿以外は考えられないほど。お風呂も明るく海に広がり、歩いた疲れを癒してもらいました。
「旅は道連れ」と言いますが、一行4人は、誰がリーダーということもなくお互い思いやりに満たされた3日間だったと思います。(心にカチンときたとしても・・・??)
そして、登山家でお花屋さんの、TOSHIE♪さん。藻岩山でのウォーミングアップにはじまり、歩け歩けでは健脚をもって残り3人を引っ張ってくれました。何といっても、花に関しては辞典のような方ですから、花ガイドがいつもそばにいる状態で、また、道の小脇に咲いているほんとに小さい花にも目ざとく、おかげさまで、おかげさまで、花も景色も堪能できました。
また「世は情け」と言うように、旅の途中での触れ合いに助けられた場面もたくさんありました。
到着した宿に歌の先生から電話が入り、高山植物園で「礼文アツモリソウ」が見られるとのこと。原生地は6月初めで閉められておりあきらめていましたので、2日目はそちらを先にまわり、写真で見るよりも可憐な姿に初めてお目にかかる(?)ことができました。
スコトン岬から礼文アツモリソウ原生地付近までを、4時間の観光コースになっているのですが、先に植物園を回ったおかげで、普通とはちがう、逆の道を辿ることになりました。結果としては、hahatenが好きな言葉、逆もまた真なり、でした。
炎天下一時間半歩き続けて、なにやらショートカットできそうな分かれ道があり、近道!とみんなの心が動いたときに、前方から降りてくる一行がありました。尋ねてみると、少し遠回りだけれど、澄海岬はとても素晴らしかった!とのこと、自分たちはもうコース終わりなのでと、持っていた地図を渡してくれました。私たちが来た道を尋ねられたので、アツモリソウの原生花園は終わっているけれど、植物園では今朝植え替えたばかりのアツモリソウが見られますよと話すととても喜んでもらえました。
 澄海(スカイ)岬より
遠回りして行った澄海岬下に見える海の景色です。何という偶然。あの出会いがなかったら、この素晴らしい景色に出会うことはありませんでした。
このコースでは海岸に下りて歩く漁村沿いの道があるのですが、朝の漁から引き上げてホッとした時間帯だったことも幸いして、道を聞くととても親切に教えてもらいました。極めつけは、玄関先に座っていた老齢のご婦人が「ゴロタ岬」への道は危険だから気をつけろ、前に自分と話した人が落ちて死んだ。お参りに行っている・・・でした。気持ちを引き締めて、急な階段坂、片側が落ち込んだ坂を歩き切りました。
旅先では出会う人々やすれ違うだけの人たちとの会話が旅の刻々を楽しく、豊かにしてくれるのだなーとつくづく思っているところです。(長くなってゴメンナサイ)