SiCKO by Michael F. Moore

『シッコ SiCKO』は、USAの医療制度をテーマにしたドキュメンタリー風なアメリカ映画です。昨夜特別上映ということで観て来ました。
日本でも医療制度が変貌している時期でもあり、商業館では上映されなかった映画で、シッコという日本語感覚は、失禁、オムツを予想させるタイトルで、医療の問題に切り込んだという直感がありますね。
「シッコ (SiCKO)」とは、「病人」「狂人」「変人」などを揶揄するスラングだそうですが。
「シッコ」は最初っから強烈でしたね。医療費を払えないアメリカ人が裂けた膝を自分で縫合するシーンからはじまります。事故で切り落としてしまった指をつなぐのに、一本いくらと、指値段があるのです。
ただこの映画は無保険の貧民層ではなく、普通の社会生活をしていて医療保険に加入しているごく普通の人々が病院にかかっても治療費の保険金が出ない、という状況に追い込まれる、また、既往症があると保険に入ることができないという何時かは誰もが襲われるかも知れない、「民間営利企業医療保険」問題が、次から次への実証されていきます。事実に基づいているので説得性がありました。
9.11の救急隊に加わって塵肺など後遺症に悩まされ、しかも、国としての何の保障もない当時の「英雄」が共産主義キューバの医療体制にに救われるなど皮肉も効いていましたし、カナダ、フランス、イギリスなど国として医療保障がされている状況も紹介されていました。

日本の医療体制も、実際は国民皆保険でありながら、保険料も高くなる一方だし、医療費負担も1割から3割にあがり、そのカーブに準じて民間の医療保険にも入らざるを得なくなっている、特にアメリカ資本が増えてきているというのは、アブナイこと、策略ですね。
考えてみたら、年金の目減りが宣伝され、給付年齢の引き上げが出たころから、個人年金が保険会社から売り出されました。 策略ですね。

後期高齢者・・・」国による国民の選別。自力のない人のレール。自力のある人のレール。
いつも併走しながら、いつでも乗り換えられますよというわけですか?
実際後期高齢者・・・では、自分が受ける医療費の選択が始まっています。医療の制限もあるのです。

小泉フィーバーを許した日本人のツケは大きかったとこの映画をみて思いました。