交響曲音痴がベートーベン第九(札響)を聴いて

中島公園豊平館
札響第九
昨日は、生まれて初めて生のオーケストラ演奏で「第九」を聴きました。
実はね、この舞台で合唱を歌う方から10%の割引券をいただいたのです。これも一つのチャンスかとキタラの最上段3階席から舞台を見下ろすように聴きました。年末になると第九第九と取りざたされることが多いですが、以前、「ラジオで札響の第九が放送されるので友人に聴いてくれよと時間を教えて、終わってその後聞いてみたら、ラジオを聴き始めたけれど眠くなってうつらうつらしていたら、合唱も全部終わっていた・・・」そんな話を聞いていたので、実際のところあまり期待しない方がいいのかなあ・・・と思いながら座っていました。
指揮者は今年4月に首席指揮者として就任されたマックス ボンマーという方です。
第一楽章からハッと息を呑むようなダイナミックな音がはじまりました。 行進する様な、させられるような、引っ張られるような、背中を強く押されるような、張り詰めた緊張感が、それは第2楽章に続きました。何かしら第5運命に似ているような感じです。(第五運命は聴いたことがあるんですよ)
そして、第3楽章では一転、静かに癒しの音が流れました。気持ちいいなあと聴いていると、ふと亡くなった母を思い出しました。今の母はこのような調べの中で揺れているのだろうか?と思っていると何かしら涙が出てきました。第一楽章第二楽章のようにとても苦労の多かった母の人生そのものを慰めてくれているように感じて・・・
最終章は、素晴らしい盛り上がりでした。人によっては、何かを成しあげたこと、この一年のこと、仕事人生のこと、人生一生のことなどなど、思い思いの区切りを喜びを満たして区切ろうと呼びかけるような、私も母とかかわった50年をどう収めたらよいのか迷っていましたが、何かしらこれでよかったのだとちょっぴり思えるような、本当に聴きにいってよかったと思いました。

願わくば今度また機会が巡ってきたら、もう少し下段の席で聴いてみたいと思いますよ。
割引券をくださった方に感謝しています。