ああ、国際女性デー

3月8日、国際女性デーの集会が札幌、かでる2・7ホールで開催されました。
記念講演は「新しい時代のはじまり、それは3月8日―21世紀を生きる喜び、働く喜びへ―」後藤宣代さん(福島県医大講師・経済学研究者)でした。

国際女性デーというのは、国際女性の日が女性たちによって提唱されてから100年の歴史を刻み、いつもテーマは「女性に対する差別をなくし、人間としての自由と権利を求める」ということでした。そして非常に画期的な出来事は、1917年帝政ロシアを崩壊させたきっかけが女性労働者たちのデモ行進に始まったということです。
日本では1923年の初めての集会に始まりますが、1911年には平塚らいてうが「青鞜」を発刊、「原始女性は太陽であった」という有名な一文を発表し、男尊女卑の日本社会の軋轢から女性を解放しようという主張がとても大きな波紋を世に投げかけた時代の延長線にありました。
100年を経て今はどんな時代なのか?ということですね。講演では、
1989年ベルリンの壁が崩壊し、その壁に変わる新しい壁、格差と貧困を生み出した、市場万能、そして政府は小さくてよい、という世界のアメリカ化がすすんでいる。
これを逆流として、本流は何か、それは世界中の市民たちによる草の根運動の展開に新しい流れの特徴があるということでした。
たとえば、NGOが始めているフェアトレード。チョコレートの原料となるカカオは主に西アフリカで生産されているのですが、、生産性を上げるために児童労働が問題になっているだけでなく、土壌が疲弊し、森林の新たな農地化が進み、生態系にも影響が及んでいるといわれます。原産地や途上国の人権や環境、労働を尊重する貿易が行われることに地球市民としての気持ちがつながることに希望が見えてくるということです。(hahatenが好きなコーヒーなどもそうですね)
講演者の後藤宣代さんは、フルート奏者の経済学者としてとても有名な方だそうですが、アメリカ・カリフォルニア大学バークレー校に研究員として留学された方で、このバークレー市は3月8日を祝日として国際女性デーを記念しているそうで、滞在中の2005年3月8日、大学での集会で、与謝野晶子が「青鞜」創刊号に寄せた巻頭詩「そぞろごと」山の動く日来る・・・・・が英訳で朗読される場に偶然立ち会われたそうで、その後も反戦平和の女性団体「コードピンク」とも交流を深められているとのことでした。、
お名前の「宣」は山本宣治を敬愛するご両親が期待を込めてつけた名前とのこと、また、野呂栄太郎の妻であった塩沢富美子さんの晩年にお付き合いが生まれ、自分の経済学者としての道を固められたそうで、この二人との出会いが今の自分であると言い切る、爽やかな女性でした。
東京大空襲で、人々の下敷きになって一命をとりとめた方が、アメリカで証言をしたいと後藤さんと渡米するそうですが、あの有名な早乙女勝元さんも同行されるようで、国を超えて人と人との橋をつなぐ人、そのようなダイナミックな生き方をサラッとしてのけるタフな新しき女性、そんな感じでした。
3月8日講演を聴いて家に帰った後、家族との会話で、「国際女性デー、なにそれ?」って言われちゃいました。
日本もカレンダーに「女性の日」と印刷してほしいですね。国連では1975年国際女性年をきっかけにして、女性の日と決めているのですから・・・

p/s 「コードピンク」の方々は若い方から年配の方までみんなピンクのTシャツだそうです