母のこと

今朝は陽もぼんやりと射していたのですが、9時ごろになって雪が降り出しお昼には辺り真っ白になってしまいました。
9月に老健施設に入所した母は、一人暮らしと違った場所の生活で、話す言葉も滞りがちになってきたように思えますが、周囲の人たちの観察をするなど、元気にしております。
22日の朝日新聞「ほっかいどう歌壇」の欄にこんな短歌が載っておりました。

まるで私の母のことのようです。私の知る母はいつも貧乏暮らしでした。年をとって幾ばくかの蓄えができても大きな買い物をすることなく辛抱、辛抱の積み重ねで、何の為に?と聞くと、「葬式やらお墓やら・・・」と答えて私はうんざりでした。でもじーっと使わずに残してきた財を今は弟夫婦の管理に全部移ってしまって、自分の自由にならないことをいつも悔やんでいます。

入選のトップにこのような短歌もありました。選者の評にあるように来春への期待ですね。最初の短歌ととても対照的ですね。
母も土植えや鉢植えで花々を丹精していました。この秋は冬支度をすることもなく施設に行ってしまいましたが、来る春にはまた自分の庭を見に連れてくることができると思います。雪や寒さが辛い冬、母は温い施設に避難していると思えば安心です。
この短歌を通して、冬を迎える準備は、訪れてくる春への期待なのだとあらためて感じ入りました。