映画「わたし」の人生(みち) 我が命のタンゴ


 ライラック
地域の新婦人の会が主催して上映されたこの映画は、昨年夏に公開されたものですが、認知症とその家族そして介護の在り様をテーマに、精神科医が実際のエピソードを下敷きに作り上げたものです。
物語の中心は、認知症を発症して奇行を繰り返す父親と、社会的にも今一番の仕事の継続が困難になる娘、それぞれの心の葛藤。ここで語られるのは、家族が仕事をやめざるを得ない人数が、50万人にのぼっていること、そして、家族が精神的に追い詰められる中では、介護の施設を頼るべきという姿勢です。その施設で取り上げられる「アルゼンチンタンゴ」のダンスは、心と体に医療的効果のあるダンスとして世界中に広がりつつあるようですが、このダンスを通して父と娘、また夫婦など心のつながりを取り戻していくのです。
この映画会があった6月1日、朝日新聞の朝刊に、認知症高齢者462万人、予備軍400万人(厚労省推計)の記事が載りました。高齢者とは65才以上ですって。現在70歳未満は8.4パーセント、80〜84歳で4分の1、85歳では4割を超えるという結果だそうです。新聞はまた、医療、介護の体制作りを急ぐべき、と述べています。
この映画の通りですね。
ひたひたと押し寄せる波のようです。でもこの映画を観たおかげでその日を迎えるかも知れない心の準備が生まれたことで、とてもラッキーな出会いであったと感謝しています。