海外からの帰省者で成田空港が混雑、都市高速はUターンラッシュ、連休を愉しんだ方々のニュースがいっぱいです。
我が家では、昨年から夫が北海道書道展の会員になってからは、道展の作品の陳列、片付けなど落ち着かないことで、大型連休の楽しみはなし!ということになってしまいました。
その道展も終わり間近です。
今日は、篆刻の解説を聞いてきました。その中でとても印象的だったのは「封泥」のお話でした。
封泥は、古代中国、跋扈する国の地図が書き換えられていた時代、文書や貴重品を収めた器物を封緘(ふうかん)するために用いられた粘土印のことで、紐で縛り、紐の結び目を粘土で覆い、印を押して、封じた人物の役職や姓名を明らかにしました。
ここまでは常識の範囲?ここからはhahatenの常識でなかったのでひと言。
それを届けられた側は、粘土を打ち割って開封するわけですが、送り手の印はどうなったのでしょう?
いつの世も悪どい企みが予想されるということですね、地底に埋めたそうです。
秦の時代に文字が統一され漢字が広く使われましたが、19世紀清朝の末期頃に特に篆書に対する研究が遺跡や発掘などを通して進みました。その時に地中深く埋められていた「封泥印」が発見されました。粘土でできているので年月を経て欠けたりしているのを、雅美古色として、篆刻印に芸術性を与えたのが「呉 昌碩」(ご しょうせき)という文人でした。
現在の書道芸術としての篆刻の先駆けでした。
この作品は今回の道展公募作品の中で、一番魅力的だと思った作品です。封泥を模した作品で、辺縁の欠けがお洒落な雰囲気に感じられます。剛健篤実?読みが難しいですね。
歴史が目覚めるという出来事はとてもロマンを感じ、篆刻の魅力発見のひと時でした。