吹き寄せられて未だ掃かず

玄関前
車庫前
すぐ横にある公園の、すずかけの葉が落ち始めました。しかも大量にカサカサと音を立てながら舞い落ちてきます。夜などは少し不気味ですよ。カサカサ・・〜・・・カサカサ
何故か我が家のあたりに山盛りです。冬に近くなると風の向きがなせる技ですよ。
そのままにしておけば、またどこかに飛んでいくかもしれないと、hahatenは思っています。
hahatenがちょっと心惹かれる漢詩があります。
王維  桃は紅(くれなゐ)にして 復(また) 宿雨を含(ふくみ)
柳は緑にして 更(さらに) 朝煙(ちょうえん)を帶(おぶ)
花 落ちて 家童 (か どう) 未(いまだ)掃(はかず)
鶯 啼(なきて) 山客(さんかく) 猶(なほ)眠る。
これは柳は緑の季節。霞がたなびく朝、落花があるが誰も掃こうとしない。私は未だウトウトと春の眠りを楽しんでいる・・・・・
落ちたものは落ちたままでいいのではないか?吹き飛んできた落ち葉は吹き飛んできたままでいいのではないか?少しのあいだ吹き寄せられた我が家の周りを楽しみたい・・・
こんな漢詩もありますよ。
今年花似去年好;今年花は去年に 似て好く
去年人到今年老;去年人は、今年に 到りて老ゆ
始知人老不如花;始めて知る、人は老いて 花に不如(し)かざることを
可惜落花君莫掃;惜しむ可(べ)し落花 君(きみ)掃(はら)うこと莫(な)かれ
今年も花は同じように咲くが、人は同じときだけ老いてゆく。誰も花にはかなわないのだから落下を掃わずに花の命を惜しむことにしよう・・・
我が家辺りから、また吹き散らかったらそれはそれでいいのではないか?今はもう何の風情もない我が家の玄関先、せめて寄って来た落ち葉を楽しむことにしましょう。
そして炉を切ってあるだけの茶室。hahatenは「未掃庵」とひそかに名付けております。